SAP Commerce Cloud を使用した開発 developing-with-sap-commerce-cloud

NOTE
e コマースフレームワークは、任意の e コマースソリューションで使用できます。ここで取り上げる詳細や例は、hybris のソリューションを参照してください。

統合フレームワークには、API を備えた統合レイヤーが含まれています。次の操作が可能です。

  • e コマースシステムをプラグインして、製品データを Adobe Experience Manager(AEM)に取り込む

  • 特定の e コマースエンジンに依存しないコマース機能を提供する AEM コンポーネントを作成する

chlimage_1-11

NOTE
API に関するドキュメントもお読みください。

この統合レイヤーを使用するために、すぐに使える AEM コンポーネントがいくつか用意されています。現時点では、以下のようなものがあります。

  • 製品表示コンポーネント
  • 買い物かご
  • チェックアウト

検索のために、AEM 検索、e コマースシステムの検索、サードパーティ検索、またはこれらを組み合わせた検索を行うための、統合フックが提供されています。

e コマースエンジンの選択 ecommerce-engine-selection

e コマースフレームワークは任意の e コマースソリューションと組み合わせて使用できますが、使用されるエンジンは AEM によって識別可能である必要があります。

  • e コマースエンジンは、CommerceService インターフェイスをサポートする OSGi サービスです。

    • エンジンは、commerceProvider サービスプロパティによって区別できます。
  • AEM では、CommerceServiceProduct に対して Resource.adaptTo() をサポートしています。

    • adaptTo 実装は、リソースの階層内で cq:commerceProvider プロパティを探します。

      • 見つかった場合は、その値を使用してコマースサービスの検索をフィルタリングします。

      • 見つからなかった場合は、最上位のコマースサービスが使用されます。

    • 厳密に型指定されたリソースに cq:commerceProvider を追加できるように、cq:Commerce Mixin が使用されます。

  • 適切なコマースファクトリ定義を参照するために、cq:commerceProvider プロパティも使用されます。

    • 例えば、hybris の値を持つ cq:commerceProvider プロパティは、Hybris 向け Day CQ コマースファクトリ(com.adobe.cq.commerce.hybris.impl.HybrisServiceFactory)の OSGi 設定に関連付けられます(ここでも、commerceProvider パラメーターの値は hybris となります)。

    • ここで、カタログバージョン ​など、さらに別のプロパティを設定できます(適切かつ使用可能な場合)。

以下の例を参照してください。

cq:commerceProvider = geometrixx
標準の AEM インストール内に具体的な実装が必要。例:Geometrixx のサンプル(汎用 API に対する最小限の拡張が含まれます)。
cq:commerceProvider = hybris
hybris 実装

example

/content/store
+ cq:commerceProvider = hybris
  + mens
    + polo-shirt-1
    + polo-shirt-2
    + employee
+ cq:commerceProvider = jcr
  + adobe-logo-shirt
    + cq:commerceType = product
    + price = 12.50
  + adobe-logo-shirt_S
    + cq:commerceType = variant
    + size = S
  + adobe-logo-shirt_XL
    + cq:commerceType = variant
    + size = XL
    + price = 14.50
NOTE
CRXDE Lite を使用すると、hybris 実装の場合の製品コンポーネントでの処理方法を確認できます。
/apps/geometrixx-outdoors/components/hybris/product/product.jsp

hybris 4 向けの開発 developing-for-hybris

e コマース統合フレームワークの Hybris 拡張が更新されて、Hybris 4 との下位互換性を保ちながら、Hybris 5 がサポートされるようになりました。

コード内のデフォルト設定は、Hybris 5 向けに調整されています。

Hybris 4 向けの開発には、次が必要です。

  • Maven を呼び出す場合は、次のコマンドライン引数をコマンドに追加します。

    -P hybris4

    事前設定済みの Hybris 4 ディストリビューションをダウンロードして、バンドル cq-commerce-hybris-server に組み込みます。

  • OSGi 設定マネージャーで、

    • Default Response Parser サービスの Hybris 5 サポートを無効にします。

    • Hybris Basic Authentication Handler サービスのサービスランキングが Hybris OAuth Handler サービスよりも低いことを確認します。

セッション処理 session-handling

hybris は、ユーザーセッションを使用して、顧客の買い物かごなどの情報を保存します。セッション ID は hybris から JSESSIONID cookie で返され、以降の hybris へのリクエストでその cookie が送信される必要があります。セッション ID をリポジトリに保存しないように、セッション ID は買い物客のブラウザーに保存される別の cookie 内でエンコードされます。次の手順が実行されます。

  • 最初のリクエストでは、買い物客のリクエストに cookie が設定されていないので、セッションを作成するリクエストは hybris インスタンスに送信されます。

  • その応答からセッション cookie が抽出され、新しい cookie 内でエンコードされ(例えば hybris-session-rest)、買い物客への応答に設定されます。元の cookie は特定のパスに対してのみ有効で、それ以外の場合は後続のリクエストでブラウザーから返されないので、新しい cookie でのエンコードが必要です。パス情報を cookie の値に追加する必要があります。

  • 以降のリクエストでは、これらの Cookie が hybris-session-<*xxx*> Cookie からデコードされ、hybris のデータを要求するための HTTP クライアントに設定されます。

NOTE
元のセッションが無効になったときに、新しい匿名セッションが作成されます。

CommerceSession commercesession

  • このセッションは、 買い物かご ​を「所有」しています

    • 追加や削除などを実行します。

    • 買い物かごについての様々な計算を実行します。

      commerceSession.getProductPrice(Product product)

  • 注文 ​データの保存場所を管理します​

    CommerceSession.getUserContext()

  • 支払い ​処理接続を管理します

  • フルフィルメント ​接続を管理します

製品の同期と公開 product-synchronization-and-publishing

hybris で管理されている製品データを AEM で利用可能にする必要があります。次の機能が実装されています。

  • 最初の ID 読み込みは、hybris からフィードとして提供されます。このフィードは更新される可能性があります。
  • hybris は、フィード(AEM がポーリングする)を介して更新情報を提供します。
  • AEM が製品データを使用している場合、現在のデータのリクエストを hybris に返します(最終変更日を使用した条件付き GET リクエスト)。
  • hybris では、宣言的な方法でフィードコンテンツを指定できます。
  • フィード構造と AEM コンテンツモデルとのマッピングは、AEM 側のフィードアダプターで行われます。

chlimage_1-12

  • インポーター(b)は、カタログ用の AEM でのページツリー構造の初期設定に使用されます。

  • hybris 内でのカタログ変更はフィードを通じて AEM に通知され、AEM(b)に反映されます。

    • カタログバージョンに関する製品の追加、削除および変更。

    • 製品の承認。

  • hybris 拡張機能は、ポーリングインポーター(「hybris」スキーム)を提供します。このインポーターは、指定した間隔で AEM に変更を読み込むように設定できます(例えば、24 時間おきにする場合は秒単位で以下のように指定します)。

    code language-javascript
        http://localhost:4502/content/geometrixx-outdoors/en_US/jcr:content.json
         {
         * "jcr:mixinTypes": ["cq:PollConfig"],
         * "enabled": true,
         * "source": "hybris:outdoors",
         * "jcr:primaryType": "cq:PageContent",
         * "interval": 86400
         }
    
  • AEM のカタログ構成は、ステージング済み ​カタログバージョンと​ オンライン ​カタログバージョンを認識します。

  • カタログバージョン間で製品を同期するには、対応する AEM ページ(a、c)のアクティベートまたはアクティベート解除が必要です。

    • 製品を​ オンライン ​カタログバージョンに追加するには、製品のページをアクティベートする必要があります。

    • 製品を削除するには、アクティベートを解除する必要があります。

  • AEM でページをアクティベートする場合(c)には確認(b)が必要で、次の場合にのみ可能です。

    • 製品が、製品ページの​ オンライン ​カタログバージョン内にある

    • 参照元の製品が、他のページ(キャンペーンページなど)の​ オンライン ​カタログバージョン内で利用できる

  • アクティベートされた製品ページは、製品データの​ オンライン ​バージョンにアクセスする必要があります(d)。

  • AEM パブリッシュインスタンスは、製品データやパーソナライズされたデータを取得するために、hybris にアクセスする必要があります(d)。

アーキテクチャ architecture

製品とバリアントのアーキテクチャ architecture-of-product-and-variants

1 つの製品に複数のバリエーションが存在する場合があります。例えば、カラーやサイズで異なるバリエーションが存在する場合があります。製品では、バリエーションを構成するプロパティを定義する必要があります。このようなプロパティを​ バリアント軸 ​と呼びます。

ただし、すべてのプロパティがバリアント軸になるわけではありません。バリエーションは、他のプロパティにも影響を与えることがあります。例えば、価格はサイズに依存することがあります。このようなプロパティは、買い物客が選択できないので、バリアント軸とは見なされません。

各製品やバリアントはリソースによって表現されるので、リポジトリノードに 1 対 1 でマップされます。当然のことながら、特定の製品やバリアントはそのパスによって一意に識別できます。

製品/バリアントリソースには、必ずしも実際の製品データが含まれるとは限りません。これは、別のシステム(hybris など)で保持されるデータの表示域の場合があります。例えば、製品の説明や価格などは AEM には保存されず、e コマースエンジンからリアルタイムで取得されます。

すべての製品リソースは、Product API で表現できます。製品 API の呼び出しのほとんどはバリエーションごとに固有ですが(ただし、バリエーションは 1 つの上位のものから共有される値を継承する場合があります)、一連のバリエーションを一覧で表示する呼び出しもあります(getVariantAxes()getVariants() など)。

NOTE
実際には、バリアント軸は Product.getVariantAxes() の戻り値で決定されます。
  • hybris 実装の場合は hybris で定義されます
(一般的に)製品には多数のバリアント軸を持たせることができますが、デフォルトの製品コンポーネントでは次の 2 つのバリアント軸のみが処理されます。
  1. size

  2. さらにもう 1 つ

この追加バリアントは、製品リファレンスの variationAxis プロパティ(Geometrixx Outdoors の場合、通常は color)を使用して選択されます。

製品リファレンスと製品データ product-references-and-product-data

通常、製品データは /etc の下、製品リファレンスは /content の下にあります。

製品バリエーションと製品データノードの間には 1 対 1 のマッピングが必要です。

製品リファレンスには、各バリエーションを表すノードも必要ですが、すべてのバリエーションを表す必要はありません。例えば、製品に S、M、L のバリエーションがある場合、製品データは次のようになります。

etc
|──commerce
|  |──products
|     |──shirt
|       |──shirt-s
|       |──shirt-m
|       |──shirt-l

「Big and Tall」カタログには次のバリエーションだけが含まれます。

content
|──big-and-tall
|  |──shirt
|     |──shirt-l

最後に、製品データを使用するための要件はありません。すべての製品データをカタログ内のリファレンスの配下に配置できますが、実際には、すべての製品データを複製せずに複数のカタログを用意することはできません。

API

com.adobe.cq.commerce.api.Product インターフェイス com-adobe-cq-commerce-api-product-interface

public interface Product extends Adaptable {

    public String getPath();            // path to specific variation
    public String getPagePath();        // path to presentation page for all variations
    public String getSKU();             // unique ID of specific variation

    public String getTitle();           // shortcut to getProperty(TITLE)
    public String getDescription();     // shortcut to getProperty(DESCRIPTION)
    public String getImageUrl();        // shortcut to getProperty(IMAGE_URL)
    public String getThumbnailUrl();    // shortcut to getProperty(THUMBNAIL_URL)

    public <T> T getProperty(String name, Class<T> type);

    public Iterator<String> getVariantAxes();
    public boolean axisIsVariant(String axis);
    public Iterator<Product> getVariants(VariantFilter filter) throws CommerceException;
}

com.adobe.cq.commerce.api.VariantFilter com-adobe-cq-commerce-api-variantfilter

/**
 * Interface for filtering variants and AxisFilter provided as common implementation
 *
 * The <code>VariantFilter</code> is used to filter variants,
 * for example, when using {@link Product#getVariants(VariantFilter filter)}.
 */
public interface VariantFilter {
    public boolean includes(Product product);
}

/**
 * A {@link VariantFilter} for filtering variants by the given
 * axis and value. The following example returns a list of
 * variant products that have a value of <i>blue</i> on the
 * <i>color</i> axis.
 *
 * <p>
 * <code>product.getVariants(new AxisFilter("color", "blue"));</code>
 */
public class AxisFilter implements VariantFilter {

    private String axis;
    private String value;

    public AxisFilter(String axis, String value) {
        this.axis = axis;
        this.value = value;
    }

    /**
     * {@inheritDoc}
     */
    public boolean includes(Product product) {
        ValueMap values = product.adaptTo(ValueMap.class);

        if(values != null) {
            String v = values.get(axis, String.class);

            return v != null && v == value;
        }

        return false;
    }
}
  • 一般的なストレージメカニズム

    • 製品ノードは nt:unstructured です。

    • 製品ノードは、次のいずれかになります。

      • リファレンス。製品データは他の場所に保存されています。

        • 製品リファレンスには、productData プロパティが含まれます。このプロパティは、製品データ(一般的には /etc/commerce/products の下にあります)を指します。

        • 製品データは階層化されています。製品属性は、製品データノードの上位ノードから継承されます。

        • 製品リファレンスには、ローカルプロパティも含めることができます。このようなプロパティは、製品データ内で指定されるプロパティを上書きします。

      • 製品自体。

        • productData プロパティはありません。

        • すべてのプロパティをローカルに保持している(そして productData プロパティを含まない)製品ノードは、製品属性を自身の上位ノードから直接継承します。

  • AEM 汎用製品構造

    • それぞれのバリアントには、独自のリーフノードが必要です。

    • 製品インターフェイスは、製品とバリアントの両方を表しますが、関連リポジトリノードはそれぞれに固有です。

    • 製品ノードは、製品属性とバリアント軸を記述します。

example-1

+ banyan_shirt
    - cq:commerceType = product
    - cq:productAttributes = [jcr:title, jcr:description, size, price, color]
    - cq:productVariantAxes = [color, size]
    - jcr:title = Banyan Shirt
    - jcr:description = Flowery, all-cotton shirt.
    - price = 14.00
    + banyan_shirt_s
        - cq:commerceType = variant
        - size = S
        + banyan_shirt_s_red
            - cq:commerceType = variant
            - color = red
        + banyan_shirt_s_blue
            - cq:commerceType = variant
            - color = blue
    + banyan_shirt_m
        - cq:commerceType = variant
        - size = M
        + banyan_shirt_m_red
            - cq:commerceType = variant
            - color = red
        + banyan_shirt_m_blue
            - cq:commerceType = variant
            - color = blue
    + banyan_shirt_l
        - cq:commerceType = variant
        - size = L
        + banyan_shirt_l_red
            - cq:commerceType = variant
            - color = red
        + banyan_shirt_l_blue
            - cq:commerceType = variant
            - color = blue
    + banyan_shirt_xl
        - cq:commerceType = variant
        - size = XL
        - price = 18.00

買い物かごのアーキテクチャ architecture-of-the-shopping-cart

コンポーネント

  • 買い物かごは、CommerceSession: によって管理されます。

    • CommerceSession は追加や削除などを実行します。
    • CommerceSession は、買い物かごに対する様々な計算も実行します。
  • 買い物かごに直接関連はしませんが、CommerceSession はカタログの価格情報も提供する必要があります(価格を管理しているので)。

    • 価格には、以下の複数の修飾子があります。

      • 数量割引。
      • 様々な通貨。
      • 付加価値税(VAT)課税対象、および付加価値税免除
    • 修飾子は、以下のインターフェイスを使用して変更することができます。

      • int CommerceSession.getQuantityBreakpoints(Product product)
      • String CommerceSession.getProductPrice(Product product)

ストレージ

  • ストレージ

    • hybris の場合、hybris サーバーが買い物かごを管理します。
    • AEM 汎用の場合、買い物かごは ClientContext に格納されます。

パーソナライズ機能

  • パーソナライズ機能は、常に ClientContext で行われます。

  • 買い物かごの ClientContext /version/ は、すべてのケースで作成されます。

    • 製品は、CommerceSession.addCartEntry() メソッドを使用して追加する必要があります。
  • 次の図は、ClientContext に格納される買い物かご情報の例を示しています。

chlimage_1-13

チェックアウトのアーキテクチャ architecture-of-checkout

買い物かごと注文データ

CommerceSession は、次の 3 つの要素を管理します。

  1. 買い物かごのコンテンツ

  2. 価格

  3. 注文の詳細

  4. 買い物かごのコンテンツ

    買い物かごのコンテンツのスキーマは、次の API で決定されます。

    code language-java
    public void addCartEntry(Product product, int quantity);
    public void modifyCartEntry(int entryNumber, int quantity);
    public void deleteCartEntry(int entryNumber);
    
  5. 価格

    価格のスキーマも、API によって決められています。

    code language-java
    public String getCartPreTaxPrice();
    public String getCartTax();
    public String getCartTotalPrice();
    public String getOrderShipping();
    public String getOrderTotalTax();
    public String getOrderTotalPrice();
    
  6. 注文の詳細

    しかし、注文の詳細は API によって決められていません​

    code language-java
    public void updateOrderDetails(Map<String, String> orderDetails);
    public Map<String, String> getOrderDetails();
    public void submitOrder();
    

送料の計算

  • 注文フォームには、多くの場合、複数の配送オプション(および価格)を提示する必要があります。

  • 価格は、品目や注文の詳細(重量や配送先住所など)に基づく場合があります。

  • CommerceSession はすべての依存関係にアクセスするので、製品価格と同じ方法で扱うことができます。

    • CommerceSession は送料を管理します。
    • updateOrder(Map<String, Object> delta) を使用して、配送の詳細情報を取得または更新できます。
NOTE
以下のような発送セレクターを実装することもできます。
yourProject/commerce/components/shippingpicker の下)で、次の手順をおこないます。
  • これは基本的に foundation/components/form/radio のコピーですが、以下を行うための CommerceSession へのコールバックを備えています。

  • メソッドが使用可能かどうかの確認

  • 価格情報の追加

  • 関連する CommerceSession 情報の公開に関する制御権を持ちつつ、買い物客が AEM 内の注文ページ(発送方法のスーパーセットとその説明テキストを含む)を更新できるようにする

支払い処理

  • CommerceSession は、支払い処理の接続も管理します。

  • CommerceSession 実装には、選択された支払い処理サービスへの具体的な呼び出しを追加する必要があります。

注文のフルフィルメント

  • CommerceSession は、フルフィルメントの接続も管理します。
  • CommerceSession 実装には、選択された支払い処理サービスへの具体的な呼び出しを追加する必要があります。

検索の定義 search-definition

標準のサービス API モデルに従って、e コマースプロジェクトは、個々のコマースエンジンで実装できる一連の検索関連の API を提供します。

NOTE
現在、標準でこの検索 API を実装しているのは hybris エンジンだけです。
ただし、この検索 API は汎用であり、各 CommerceService で個別に実装できます。

e コマースプロジェクトには、次の場所にデフォルトの検索コンポーネントが含まれています。

/libs/commerce/components/search

chlimage_1-14

これは、検索 API を使用して、選択したコマースエンジンに対してクエリを実行します。詳しくは、e コマースエンジンの選択を参照してください。

検索 API search-api

コアプロジェクトは、次のような汎用/ヘルパークラスを複数提供しています。

  1. CommerceQuery

    検索クエリを記述します(クエリテキスト、現在のページ、ページサイズ、並べ替え、選択されているファセットについての情報を含みます)。検索 API を実装するすべての e コマースサービスは、検索を実行するために、このクラスのインスタンスを受け取ります。CommerceQuery は、リクエストオブジェクト(HttpServletRequest)からインスタンス化できます。

  2. FacetParamHelper

    1 つの静的メソッド(toParams)を提供するユーティリティクラス。このメソッドを使用して、ファセットのリストと 1 つのトグル値から GET パラメーター文字列を生成します。これは、UI 側で、ユーザーがハイパーリンクをクリックすると対応する値に切り替わるように、各ファセットの値ごとのハイパーリンクを表示する必要がある場合に役立ちます。この切り替えは、選択された場合はクエリから削除され、選択されていない場合は追加されるということです。これは、複数値または単一値のファセットの処理、値のオーバーライドなどのすべてのロジックを処理します。

検索 API のエントリポイントは、CommerceService#search オブジェクトを返す CommerceResult メソッドです。このトピックについて詳しくは、API ドキュメントを参照してください。

ユーザーの統合 user-integration

AEM と様々な e コマースシステム間で統合が提供されます。これを実現するには、AEM 固有のコードは AEM に関してのみ把握する必要がある(その逆も同様となる)ように、様々なシステム間で買い物客を同期するための戦略が必要です。

  • 認証

    AEM は​ 唯一 ​の web フロントエンドと見なされるので、すべて ​の認証は AEM が実行します。

  • Hybris のアカウント

    AEM は、買い物客ごとに対応する(セカンダリ)アカウントを Hybris に作成します。 このアカウントのユーザー名は、AEM ユーザー名と同じです。暗号化されたランダムパスワードが自動生成され、暗号化された状態で AEM に保存されます。

既存のユーザー pre-existing-users

AEM フロントエンドは、既存の hybris 実装の前に配置できます。また、hybris エンジンを既存の AEM インストールに追加できます。これを行うには、双方のシステムが相手側システムの既存のユーザーを適切に処理できるようにする必要があります。

  • AEM -> hybris の場合

    • hybris へのログイン時に、AEM ユーザーがまだ存在していない場合、

      • 暗号化されたランダムパスワードを使用して新規 hybris ユーザーを作成します。
      • この hybris ユーザー名を AEM ユーザーのユーザーディレクトリに保存します。
    • 参照先: com.adobe.cq.commerce.hybris.impl.HybrisSessionImpl#login()

  • hybris -> AEM の場合

    • AEM へのログイン時に、システムがユーザーを認識していない場合:

      • 指定されたユーザー名とパスワードを使用して hybris へのログインを試行します。
      • 成功した場合は、同じパスワードを使用して AEM でユーザーを作成します(AEM 固有のソルトは AEM 固有のハッシュになります)。
    • 上記のアルゴリズムは Sling の AuthenticationInfoPostProcessor で実装されます。

      • 参照先: com.adobe.cq.commerce.hybris.impl.user.LazyUserImporter.java

読み込みプロセスのカスタマイズ customizing-the-import-process

既存の機能を基にカスタムの読み込みハンドラーを構築するには、

  • ImportHandler インターフェイスを実装する必要があります。

  • DefaultImportHandler を拡張できます。

/**
 * Services implementing the <code>ImportHandler</code> interface are
 * called by the {@link HybrisImporter} to create actual commerce entities
 * such as products.
 */
public interface ImportHandler {

  /**
  * Not used.
  */
  public void createTaxonomie(ImporterContext ctx);

  /**
  * Creates a catalog with the given name.
  * @param ctx   The importer context
  * @param name  The catalog's name
  * @return Path of created catalog
  */
  public String createCatalog(ImporterContext ctx, String name) throws Exception;

  /**
  * Creates a product from the given values.
  * @param ctx                The importer context
  * @param values             The product's properties
  * @param parentCategoryPath The containing category's path
  * @return Path of created product
  */
  public String createProduct(ImporterContext ctx, ValueMap values, String parentCategoryPath) throws Exception;

  /**
  * Creates a variant product from the given values.
  * @param ctx             The importer context
  * @param values          The product's properties
  * @param baseProductPath The base product's path
  * @return Path of created product
  */
  public String createVariantProduct(ImporterContext ctx, ValueMap values, String baseProductPath) throws Exception;

  /**
  * Creates an asset for a product. This is usually a product
  * image.
  * @param ctx             The importer context
  * @param values          The product's properties
  * @param baseProductPath The product's path
  * @return Path of created asset
  */
  public String createAsset(ImporterContext ctx, ValueMap values, String productPath) throws Exception;

  /**
  * Creates a category from the given values.
  * @param ctx           The importer context
  * @param values        The category's properties
  * @param parentPath    Path of parent category or base path of import if there is a root category
  * @return Path of created category
  */
  public String createCategory(ImporterContext ctx, ValueMap values, String parentCategoryPath) throws Exception;
}

カスタムハンドラーがインポーターに認識されるようにするには、次のように、service.ranking プロパティに 0 より大きい値を指定する必要があります。

@Component
@Service
@Property(name = "service.ranking", value = 100)
public class MyImportHandler extends DefaultImportHandler
{
...
}
recommendation-more-help
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