非インタラクティブ PDF ドキュメントの作成 assembling-non-interactive-pdf-documents

非インタラクティブ PDF ドキュメントは、インタラクティブ PDF フォームを入力として使用することで作成できます。つまり、ユーザーがフィールドにデータを入力できるフォームがあるとします。そのフォームを Assembler サービスに渡すと、ユーザーがフィールドにデータを入力できない PDF ドキュメントを Assembler サービスから受け取ることができます。このドキュメントが非インタラクティブ PDF フォームです。例えば、インタラクティブなフォームである住宅ローン申し込みフォームを次の図に示します。

この説明では、次の DDX ドキュメントが使用されていると仮定します。

 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
 <DDX xmlns="https://ns.adobe.com/DDX/1.0/">
      <PDF result="out.pdf">
        <PDF source="inDoc"/>
        <NoXFA/>
      </PDF>
 </DDX>

この DDX ドキュメント内では、source 属性に値 inDoc が割り当てられていることに着目してください。Assembler サービスに渡す入力 PDF ドキュメントが 1 つのみで、返されるのも 1 つの PDF ドキュメントであり、invokeOneDocument 操作を呼び出す場合は、値 inDoc を PDF の source 属性に割り当てます。invokeOneDocument 操作を呼び出す際は、inDoc 値が、DDX ドキュメントに指定する必要がある事前定義済みキーです。

これに対し、2 つ以上の入力 PDF ドキュメントを Assembler サービスに渡す場合は、invokeDDX 操作を呼び出すことができます。この場合は、入力 PDF ドキュメントのファイル名を source 属性に割り当てます。

この DDX ドキュメントには NoXFA 要素が含まれており、この要素は Assembler サービスに非インタラクティブ PDF ドキュメントを返すよう指示します。

Assembler サービスは、入力 PDF ドキュメントが Acrobat フォームまたは静的 XFA フォームに基づいていれば、Output サービスが AEM Forms インストール環境に含まれていなくても、非インタラクティブ PDF ドキュメントを作成することができます。ただし、入力 PDF ドキュメントが動的 XFA フォームの場合は、Output サービスが AEM Forms インストール環境に含まれている必要があります。動的 XFA フォームの作成時に Output サービスが AEM Forms インストール環境に含まれていない場合は、例外がスローされます。詳しくは、ドキュメント Output ストリームの作成を参照してください。

NOTE
このセクションを読む前に、Assembler サービスを使用した PDF ドキュメントのアセンブリに関する知識を身に付けておくことをお勧めします。このセクションでは、入力ドキュメントを含むコレクションオブジェクトの作成や、返されたコレクションオブジェクトから結果を抽出する方法の学習など、概念については説明しません(プログラムによる PDF ドキュメントの作成を参照)。
NOTE
Assembler サービスについて詳しくは、AEM Formsサービスリファレンスを参照してください。
NOTE
DDX ドキュメントについて詳しくは、Assembler サービスと DDX リファレンスを参照してください。

手順の概要 summary-of-steps

非インタラクティブ PDF ドキュメントを作成するには、次のタスクを実行します。

  1. プロジェクトファイルを含めます。
  2. PDF Assembler クライアントを作成します。
  3. 既存の DDX ドキュメントを参照します。
  4. インタラクティブ PDF ドキュメントを参照します。
  5. 実行時オプションを設定します。
  6. PDF ドキュメントをアセンブリします。
  7. 非インタラクティブ PDF ドキュメントを保存します。

プロジェクトファイルのインクルード

必要なファイルを開発プロジェクトに含めます。Java を使用してクライアントアプリケーションを作成する場合は、必要な JAR ファイルを含めます。Web サービスを使用している場合は、プロキシファイルを必ず含めてください。

次の JAR ファイルをプロジェクトのクラスパスに追加する必要があります。

  • adobe-livecycle-client.jar
  • adobe-usermanager-client.jar
  • adobe-assembler-client.jar
  • adobe-utilities.jar(AEM Forms が JBoss にデプロイされている場合に必要)
  • jbossall-client.jar(AEM Formsが JBoss にデプロイされている場合に必要)

AEM Forms が JBoss 以外のサポート対象の J2EE アプリケーションサーバーにデプロイされている場合は、adobe-utilities.jar ファイルと jbossall-client.jar ファイルを、AEM Forms がデプロイされている J2EE アプリケーションサーバーに固有の JAR ファイルに置き換える必要があります。

Assembler クライアントの作成

Assembler 操作をプログラムで実行する前に、Assembler サービスクライアントを作成する必要があります。

既存の DDX ドキュメントの参照

DDX ドキュメントを参照して、PDF ドキュメントをアセンブリする必要があります。この DDX ドキュメントには NoXFA 要素が含まれている必要があり、この要素は Assembler サービスに非インタラクティブ PDF ドキュメントを返すよう指示します。

インタラクティブ PDF ドキュメントの参照

非インタラクティブ PDF ドキュメントを取得するには、インタラクティブ PDF ドキュメントを参照して Assembler サービスに渡す必要があります。

実行時オプションの設定

ジョブを実行する際の Assembler サービスの動作を制御する実行時オプションを設定できます。例えば、エラーが発生した場合にジョブの処理を続行するよう Assembler サービスに指示するオプションを設定できます。

PDF ドキュメントの作成

Assembler サービスクライアントの作成、DDX ドキュメントの参照、インタラクティブ PDF ドキュメントの参照および実行時オプションの設定が完了したら、invokeOneDocument 操作を呼び出すことができます。Assembler サービスに渡す入力 PDF ドキュメントは 1 つだけで、返されるドキュメントも 1 つなので、invokeDDX 操作ではなく invokeOneDocument 操作を使用できます。

非インタラクティブ PDF ドキュメントの保存

Assembler サービスに渡す PDF ドキュメントが 1 つのみであれば、コレクションオブジェクトではなく 1 つのドキュメントが Assembler サービスから返されます。つまり、invokeOneDocument 操作を呼び出すと、1 つのドキュメントが返されます。このセクションで参照している DDX ドキュメントには、非インタラクティブ PDF ドキュメントを作成する指示が含まれているので、Assembler サービスは、PDF ファイルとして保存できる非インタラクティブ PDF ドキュメントを返します。

関連トピック

AEM Forms Java ライブラリファイルの追加

接続プロパティの設定

PDF ドキュメントをプログラムで組み立てる

Java API を使用した非インタラクティブ PDF ドキュメントの作成 assemble-a-non-interactive-pdf-document-using-the-java-api

Assembler サービス API(Java)を使用して、非インタラクティブ PDF ドキュメントを作成します。

  1. プロジェクトファイルを含めます。

    adobe-livecycle-client.jar などのクライアント JAR ファイルを Java プロジェクトのクラスパスに含めます。

  2. Assembler クライアントを作成します。

    • 接続プロパティを含む ServiceClientFactory オブジェクトを作成します。
    • コンストラクターを使用して ServiceClientFactory オブジェクトを渡すことにより、AssemblerServiceClient オブジェクトを作成します。
  3. 既存の DDX ドキュメントを参照します。

    • コンストラクタを使用し、DDX ファイルの場所を指定する文字列値を渡すことによって、その DDX ドキュメントを表す java.io.FileInputStream オブジェクトを作成します。
    • コンストラクタを使用して com.adobe.idp.Document オブジェクトを渡すことによって、java.io.FileInputStream オブジェクトを作成します。
  4. インタラクティブ PDF ドキュメントを参照します。

    • コンストラクターを使用し、インタラクティブ PDF ドキュメントの場所を渡すことにより、java.io.FileInputStream オブジェクトを作成します。
    • com.adobe.idp.Document オブジェクトを作成し、PDF ドキュメントを含んだ java.io.FileInputStream オブジェクトを渡します。この com.adobe.idp.Document オブジェクトが invokeOneDocument メソッドに渡されます。
  5. 実行時オプションを設定します。

    • コンストラクタを使用して、実行時オプションを格納する AssemblerOptionSpec オブジェクトを作成します。
    • AssemblerOptionSpec オブジェクトに属するメソッドを呼び出して、ビジネス要件を満たすよう実行時オプションを設定します。例えば、エラーが発生したときにジョブの処理を続行するように Assembler サービスに指示するには、AssemblerOptionSpec オブジェクトの setFailOnError メソッドを呼び出して false を渡します。
  6. PDF ドキュメントをアセンブリします。

    AssemblerServiceClient オブジェクトの invokeOneDocument メソッドを呼び出して、以下の値を渡します。

    • DDX ドキュメントを表す com.adobe.idp.Document オブジェクト。この DDX ドキュメントに PDF ソース要素の値 inDoc が含まれていることを確認してください。
    • インタラクティブ PDF ドキュメントを格納する com.adobe.idp.Document オブジェクト。
    • デフォルトのフォントやジョブログレベルを含む、実行時のオプションを指定する com.adobe.livecycle.assembler.client.AssemblerOptionSpec オブジェクト。

    invokeOneDocument メソッドは、非インタラクティブ PDF ドキュメントを含む com.adobe.idp.Document オブジェクトを返します。

  7. 非インタラクティブ PDF ドキュメントを保存します。

    • java.io.File オブジェクトを作成し、ファイル拡張子が .pdf であることを確認します。
    • Document オブジェクトの copyToFile メソッドを呼び出して、Document オブジェクトのコンテンツをファイルにコピーします。必ず invokeOneDocument メソッドが返した Document オブジェクトを使用するようにしてください。
  • 「クイックスタート(SOAP モード):Java API を使用した PDF ドキュメントのアセンブリ」

Web サービス API を使用した非インタラクティブ PDF ドキュメントのアセンブリ assemble-a-non-interactive-pdf-document-using-the-web-service-api

Assembler Service API(web サービス)を使用して、非インタラクティブ PDF ドキュメントをアセンブリします。

  1. プロジェクトファイルを含めます。

    MTOM を使用する Microsoft .NET プロジェクトを作成します。WSDL 定義 http://localhost:8080/soap/services/AssemblerService?WSDL&lc_version=9.0.1 を使用するようにします。

    note note
    NOTE
    localhost を、AEM Forms をホストするサーバーの IP アドレスに置換します。
  2. Assembler クライアントを作成します。

    • デフォルトのコンストラクターを使用して AssemblerServiceClient オブジェクトを作成します。

    • System.ServiceModel.EndpointAddress コンストラクターを使用して、AssemblerServiceClient.Endpoint.Address オブジェクトを作成します。WSDL を指定する文字列値を AEM Forms サービスに渡します(例:http://localhost:8080/soap/services/AssemblerService?blob=mtom)。lc_version 属性を使用する必要はありません。この属性は、サービス参照を作成する際に使用されます。

    • AssemblerServiceClient.Endpoint.Binding フィールドの値を取得して System.ServiceModel.BasicHttpBinding オブジェクトを作成します。戻り値を BasicHttpBinding にキャストします。

    • System.ServiceModel.BasicHttpBinding オブジェクトの MessageEncoding フィールドを WSMessageEncoding.Mtom に設定します。この値により、MTOM が確実に使用されます。

    • 次のタスクを実行して、HTTP 基本認証を有効にします。

      • AssemblerServiceClient.ClientCredentials.UserName.UserName フィールドに AEM Forms ユーザー名を割り当てます。
      • 対応するパスワード値を AssemblerServiceClient.ClientCredentials.UserName.Password フィールドに割り当てます。
      • 定数値 HttpClientCredentialType.BasicBasicHttpBindingSecurity.Transport.ClientCredentialType フィールドに割り当てます。
      • 定数値 BasicHttpSecurityMode.TransportCredentialOnly をフィールド BasicHttpBindingSecurity.Security.Mode に割り当てます。
  3. 既存の DDX ドキュメントを参照します。

    • コンストラクターを使用して BLOB オブジェクトを作成します。この BLOB オブジェクトは、DDX ドキュメントの保存に使用されます。
    • System.IO.FileStream オブジェクトを作成するには、そのコンストラクターを呼び出し、DDX ドキュメントのファイルの場所とファイルを開くモードを表す文字列値を渡します。
    • System.IO.FileStream オブジェクトのコンテンツを保存するバイト配列を作成します。System.IO.FileStream オブジェクトの Length プロパティを取得して、バイト配列のサイズを決定することができます。
    • System.IO.FileStream オブジェクトの Read メソッドを呼び出して、バイト配列にストリームデータを入力します。読み取り対象のバイト配列、開始位置、ストリーム長を渡します。
    • MTOM フィールドにバイト配列のコンテンツを割り当てて、BLOBオ ブジェクトを入力します。
  4. インタラクティブ PDF ドキュメントを参照します。

    • コンストラクタを使用して BLOB オブジェクトを作成します。BLOB オブジェクトは、入力 PDF ドキュメントを格納するために使用します。この BLOB オブジェクトは引数として invokeOneDocument に渡されます。
    • コンストラクターを呼び出し、入力 PDF ドキュメントのファイルの場所とファイルを開くモードを表す文字列値を渡すことにより、System.IO.FileStream オブジェクトを作成します。
    • System.IO.FileStream オブジェクトのコンテンツを格納するバイト配列を作成します。System.IO.FileStream オブジェクトの Length プロパティを取得して、バイト配列のサイズを決定することができます。
    • System.IO.FileStream オブジェクトの Read メソッドを呼び出して、バイト配列にストリームデータを入力します。読み取り対象のバイト配列、開始位置、ストリーム長を渡します。
    • MTOM フィールドを割り当てることにより、BLOB オブジェクトにバイト配列の内容を入力します。
  5. 実行時オプションを設定します。

    • ランタイムオプションを格納する AssemblerOptionSpec オブジェクトをコンストラクタで作成します。
    • AssemblerOptionSpec オブジェクトに属するデータメンバーに値を割り当てることで、ビジネス要件に応じたランタイムオプションを設定します。例えば、エラーが発生した場合にジョブの処理を続行するように Assembler サービスに指示するには、falseAssemblerOptionSpec オブジェクトの failOnError データメンバーに割り当てます。
  6. PDF ドキュメントをアセンブリします。

    AssemblerServiceClient オブジェクトの invokeOneDocument メソッドを呼び出して、以下の値を渡します。

    • DDX ドキュメントを表す BLOB オブジェクト
    • インタラクティブ PDF ドキュメントを表す BLOB オブジェクト
    • 実行時のオプションを指定する AssemblerOptionSpec オブジェクト

    invokeOneDocument メソッドは、非インタラクティブ PDF キュメントを含む BLOB オブジェクトを返します。

  7. 非インタラクティブ PDF ドキュメントを保存します。

    • System.IO.FileStream オブジェクトを作成するには、そのコンストラクターを呼び出し、非インタラクティブ PDF ドキュメントのファイルの場所とファイルを開くモードを表す文字列値を渡します。
    • invokeOneDocument メソッドから返された BLOB オブジェクトのコンテンツを格納するバイト配列を作成します。BLOB オブジェクトの MTOM フィールドの値を取得して、バイト配列にデータを入力します。
    • コンストラクターを呼び出して System.IO.FileStream オブジェクトを渡すことによって、System.IO.BinaryWriter オブジェクトを作成します。
    • System.IO.BinaryWriter オブジェクトの Write メソッドを呼び出してバイト配列を渡すことにより、バイト配列の内容を PDF ファイルに書き込みます。
  • 「クイックスタート(MTOM):web サービス API を使用した非インタラクティブ PDF ドキュメントのアセンブリ」

関連トピック

MTOM を使用した AEM Forms の呼び出し

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