フォームデータモデルの操作 work-with-form-data-model

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フォームデータモデルエディターには、フォームデータモデルの編集と設定を行うための直感的なユーザーインターフェイスとツールが用意されています。このエディターを使用すると、フォームデータモデル内の関連データソースからデータモデルのオブジェクト、プロパティ、サービスの追加と設定を行うことができます。また、データソースを持っていないデータモデルオブジェクトとプロパティを作成し、後でそれらのオブジェクトとプロパティにデータソースを連結することもできます。さらに、データモデルオブジェクトのプロパティ用にサンプルデータを生成して編集し、これらのプロパティを使用してアダプティブフォームにデータを取り込み、プレビュー表示することもできます。フォームデータモデル内で設定したデータモデルのオブジェクトとサービスをテストすることにより、そのフォームデータモデルがデータソースと正しく統合されているかどうかを確認できます。

Forms のデータ統合機能を初めて使用する場合や、これまでにデータソースの設定やフォームデータモデルの作成を行ったことがない場合は、以下のトピックを参照してください。

フォームデータモデルエディターを使用して実行できる様々なタスクや設定について、詳しくはこちらをご覧ください。

NOTE
フォームデータモデルの作成と操作を行うには、fdm-author グループと forms-user グループの両方のメンバーである必要があります。これらのグループのメンバーになるには、AEM の管理者に依頼してください。

データモデルオブジェクトとサービスを追加 add-data-model-objects-and-services

データソースを持つフォームデータモデルが既に作成されている場合は、フォームデータモデルエディターを使用して、データモデルオブジェクトとサービスの追加、各種プロパティの設定、データモデルオブジェクト間の関連付けの定義、フォームデータモデルとサービスのテストをおこなうことができます。

フォームデータモデル内の使用可能なデータソースから、データモデルのオブジェクトとサービスを追加できます。 追加したデータモデルオブジェクトは「モデル」タブに表示され、追加したサービスは「サービス」タブに表示されます。

データモデルオブジェクトとサービスを追加するには、以下の手順を実行します。

  1. AEM オーサーインスタンスにログインして​ フォーム/データ統合 ​に移動し、データモデルオブジェクトを追加するフォームデータモデルを開きます。

  2. データソースペインでデータソースを展開して、使用可能なデータモデルオブジェクトとサービスを表示します。

  3. フォームデータモデルに追加するデータモデルオブジェクトとサービスを選択して、選択項目を追加 ​を選択します。

    selected-objects

    選択されたデータモデルオブジェクトとサービス

    note note
    NOTE
    Forms データモデルにリレーショナルデータベースの予約済みキーワードであるオブジェクトが含まれている場合、データの追加、更新または取得に関する問題が発生する可能性があります。そのため、そのようなオブジェクトはフォームデータモデルで使用しないようにしてください。

    「モデル」タブには、フォームデータモデルに追加されたすべてのデータモデルオブジェクトのグラフィカル表現と、それらのオブジェクトのプロパティが表示されます。フォームデータモデル内の各データモデルオブジェクトは、ボックスを使用して表現されます。

    model-tab

    追加したデータモデルオブジェクトが表示された「モデル」タブ

    note note
    NOTE
    データモデルオブジェクトのボックスを選択してドラッグすると、コンテンツ領域内にデータモデルオブジェクトを配置できます。フォームデータモデルに追加されたデータモデルオブジェクトは、データソースペイン内ではすべてグレーアウトされます。

    「サービス」タブには、追加されたサービスが一覧表示されます。

    services-tab

    データモデルサービスが表示された「サービス」タブ

    note note
    NOTE
    OData サービスのメタデータドキュメントには、データモデルオブジェクトとサービスのほかに、2 つのデータモデルオブジェクト間の関連付けを定義するナビゲーションプロパティが含まれます。詳しくは、OData サービスのナビゲーションプロパティの操作を参照してください。
  4. 保存」を選択して、フォームモデルオブジェクトを保存します。

    note note
    NOTE
    アダプティブフォームのルールを使用すると、フォームデータモデルの「サービス」タブで設定したサービスを呼び出せます。設定したサービスは、ルールエディターの「サービスを起動」アクションで使用できます。設定したサービスをアダプティブフォームルールで使用する方法について詳しくは、ルールエディターでサービスの起動とルールの値の設定を参照してください。

データモデルオブジェクトと子プロパティの作成 create-data-model-objects-and-child-properties

データモデルオブジェクトの作成 create-data-model-objects

設定済みのデータソースからデータモデルオブジェクトを追加できますが、データソースのないデータモデルオブジェクトやデータモデルエンティティを作成することもできます。フォームデータモデルでデータソースを設定していない場合は特に便利です。

データソースを使用せずにデータモデルオブジェクトを作成するには:

  1. AEM オーサーインスタンスにログインして​ フォーム/データ統合 ​に移動し、データモデルオブジェクトまたはデータモデルエンティティを作成するフォームデータモデルを開きます。

  2. エンティティを作成」を選択します。

  3. データモデルを作成ダイアログで、データモデルオブジェクトの名前を指定して「追加」を選択します。データモデルオブジェクトがフォームデータモデルに追加されます。以下の図に示すように、新しく追加されたデータモデルオブジェクトは、データソースには連結されません。また、プロパティも設定されません。

    new-entity

次に、バインドされていないデータモデルオブジェクトに子プロパティを追加できます。

子プロパティの追加 child-properties

フォームデータモデルエディターを使用すると、データモデルオブジェクトで子プロパティを作成できます。作成時のプロパティは、データソース内のどのプロパティにもバインドされません。後で、データモデルオブジェクトを含む別のプロパティにこの子プロパティをバインドできます。

子プロパティを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. フォームデータモデルでデータモデルオブジェクトを選択して「子プロパティを作成」を選択します。

  2. 子プロパティを作成 ​ダイアログで、 プロパティの名前とデータタイプをそれぞれ​ 名前 ​フィールドと​ タイプ ​フィールドに指定します。必要に応じて、プロパティのタイトルと説明を指定できます。

  3. プロパティが計算済みの場合は、「計算済み」を有効にします。計算済みプロパティの値は、ルールまたは式に基づいて評価されます。詳しくは、プロパティの編集を参照してください。

  4. データモデルオブジェクトがデータソースにバインドされている場合、追加された子プロパティは、同じ名前とデータタイプを持つ親データモデルオブジェクトのプロパティに自動的にバインドされます。

    子プロパティをデータモデルオブジェクトのプロパティに手動で連結するには、「参照をバインド」フィールドの横に表示されている参照アイコンを選択します。オブジェクトの選択 ​ダイアログには、親データモデルオブジェクトのすべてのプロパティが一覧表示されます。連結するプロパティを選択して、チェックマークアイコンを選択します。なお、子プロパティと同じデータタイプのプロパティしか選択できません。

  5. 完了」を選択して子プロパティを保存し、「保存」を選択してフォームデータモデルを保存します。これで、子プロパティがデータモデルオブジェクトに追加されました。

データモデルオブジェクトとプロパティを作成したら、続いて、アダプティブフォームとインタラクティブ通信をそのフォームデータモデルに基づいて作成できます。データソースの設定が完了した時点で、フォームデータモデルをデータソースにバインドできます。連結の設定は、関連するアダプティブフォームとインタラクティブ通信内で自動的に更新されます。フォームデータモデルを使用してアダプティブフォームとインタラクティブ通信を作成する方法については、フォームデータモデルの使用を参照してください。

データモデルオブジェクトとプロパティの連結 bind-data-model-objects-and-properties

フォームデータモデルに統合するデータソースが使用可能な状態になったら、データソースの更新に記載されている説明に従い、データソースをフォームデータモデルに追加することができます。次に、バインドされていないデータモデルオブジェクトとプロパティを以下の手順でバインドします。

  1. フォームデータモデルで、データソースへのバインドの対象となるバインドされていないデータソースを選択します。

  2. プロパティを編集」を選択します。

  3. プロパティを編集 ​ペインで、バインド ​フィールドの横にある参照アイコンを選択します。フォームデータモデルに追加されたデータソースを一覧表示する​ オブジェクトを選択 ​ダイアログが開きます。

    select-object

  4. データソースツリーを展開し、連結するデータモデルオブジェクトを選択してチェックマークアイコンを選択します。

  5. 完了」を選択してプロパティを保存し、「保存」を選択してフォームデータモデルを保存します。これで、データモデルオブジェクトがデータソースにバインドされました。これ以降は、データモデルオブジェクトに「連結されていない」というテキストが表示されることはありません。

    bound-model-object

サービスの設定 configure-services

データモデルオブジェクトのデータの読み取りと書き込みを行うには、以下の手順を実行して、読み取りサービスと書き込みサービスを設定します。

  1. データモデルオブジェクト上部のチェックボックスを選択して「プロパティを編集」を選択します。

    edit-properties

    データモデルオブジェクトの読み取りサービスと書き込みサービスの設定を行う「プロパティを編集」

    プロパティ編集ダイアログが表示されます。

    edit-properties-2

    プロパティを編集ダイアログ

    note note
    NOTE
    OData サービスのメタデータドキュメントには、データモデルオブジェクトとサービスのほかに、2 つのデータモデルオブジェクト間の関連付けを定義するナビゲーションプロパティが含まれます。OData サービスのデータソースをフォームデータモデルに追加すると、データモデルオブジェクト内のすべてのナビゲーションプロパティに対し、フォームデータモデルでサービスを使用できます。このサービスを使用して、対応するデータモデルオブジェクトのナビゲーションプロパティを読み取ることができます。
    このサービスの使用について詳しくは、「OData サービスのナビゲーションプロパティの操作」を参照してください。
  2. トップレベルオブジェクト ​を切り替えて、データモデルオブジェクトを最上位のモデルオブジェクトにするかどうかを指定します。

    フォームデータモデルで設定したデータモデルオブジェクトは、そのフォームデータモデルに基づくアダプティブフォームのコンテンツブラウザーの「データモデルオブジェクト」タブで使用できるようになります。2 つのデータモデルオブジェクト間の関連付けを追加すると、「データモデルオブジェクト」タブで、関連付け先のデータモデルオブジェクトが、関連付け元のデータモデルオブジェクトの下にネストされます。ネストされたデータモデルが最上位のオブジェクトである場合は、「データモデルオブジェクト」タブにもそのデータモデルが個別に表示されます。そのため、ネストされた階層の内側と外側に 1 つずつデータモデルのエントリが表示されるので、フォームの作成者が混乱する可能性があります。関連するデータモデルオブジェクトをネストされた階層内だけで表示するには、そのデータモデルオブジェクトの「トップレベルオブジェクト」プロパティを無効にします。

  3. 選択したデータモデルオブジェクトの読み取りサービスと書き込みサービスを選択します。サービスの引数が表示されます。

    read-write-services

    従業員データソースに対して設定されている読み取りサービスと書き込みサービス

  4. 読み取りサービスの引数に表示されている aem_6_3_edit を選択して、ユーザープロファイル属性、リクエスト属性またはリテラル値にその引数を連結し、連結値を指定します。

  5. 完了」を選択して引数を保存し、もう一度「完了」を選択してプロパティを保存します。次に、「保存」を選択してフォームデータモデルを保存します。

バインド読み取りサービスの引数 bindargument

連結値に基づいて、バインド読み取りサービスの引数をユーザープロファイル属性、リクエスト属性またはリテラル値に連結します。この値が引数としてサービスに渡され、指定した値に関連付けられた詳細がデータソースから取得されます。

リテラル値 literal-value

連結先 ​ドロップダウンメニューから「リテラル」を選択し、「連結値」フィールドに値を入力します。値に関連付けられている詳細がデータソースから取得されます。静的な値に関連付けられた詳細を取得するには、このオプションを使用します。

この例では、4367655678 に関連付けられた詳細が、mobilenum 引数の値としてデータソースから取得されます。モバイル番号の引数に値を渡す場合、関連する詳細には、顧客名、顧客の住所、市区町村などのプロパティを含めることができます。

リテラル値

ユーザープロファイルの属性 user-profile-attribute

連結先 ​ドロップダウンメニューから「ユーザープロファイル属性」を選択し、「連結値」フィールドに属性名を入力します。AEM インスタンスにログインしたユーザーの詳細は、属性名に基づいてデータソースから取得されます。

連結値」フィールドで指定する属性名には、ユーザーの属性名までの完全な連結パスを含める必要があります。以下の URL を開いて、CRXDE のユーザー詳細にアクセスします。

https://[server-name]:[port]/crx/de/index.jsp#/home/users/

ユーザープロファイル

この例では、grios ユーザーの「連結値」フィールドに profile.empid を指定します。

引数を編集

id 引数を使用してユーザープロファイルの empid 属性の値を取得し、それを引数として読み取りサービスに渡しています。ログインしたユーザーに関連付けられた empid の従業員データモデルオブジェクトから、関連付けられたプロパティの値を読み取って返します。

リクエスト属性 request-attribute

リクエスト属性を使用して、データソースから関連付けられたプロパティを取得します。

  1. 連結先 ​ドロップダウンメニューから「リクエスト属性」を選択し、「連結値」フィールドに属性名を入力します。

  2. head.jsp のオーバーレイを作成します。オーバーレイを作成するには、CRX DEを開き、https://<server-name>:<port number>/crx/de/index.jsp#/libs/fd/af/components/page2/afStaticTemplatePage/head.jsp ファイルを https://<server-name>:<port number>/crx/de/index.jsp#/apps/fd/af/components/page2/afStaticTemplatePage/head.jsp にコピーします

    note note
    NOTE
    • 静的テンプレートを使用する場合は、head.jsp を以下の場所にオーバーレイします。
      /libs/fd/af/components/page2/afStaticTemplatePage/head.jsp
    • 編集可能なテンプレートを使用する場合は、aftemplatedpage.jsp を以下の場所でオーバーレイします。
      /libs/fd/af/components/page2/aftemplatedpage/aftemplatedpage.jsp
  3. リクエスト属性に paramMap を設定します。例えば、apps フォルダーの .jsp ファイルに以下のコードを含めます。

    code language-javascript
    <%Map paraMap = new HashMap();
     paraMap.put("<request_attribute>",request.getParameter("<request_attribute>"));
     request.setAttribute("paramMap",paraMap);
    

    例えば、以下のコードを使用して、データソースから petid の値を取得します。

    code language-javascript
    <%Map paraMap = new HashMap();
    paraMap.put("petId",request.getParameter("petId"));
    request.setAttribute("paramMap",paraMap);%>
    

詳細は、リクエストで指定された属性名に基づいてデータソースから取得されます。

例えば、リクエストで属性を petid=100 と指定すると、属性値に関連付けられたプロパティがデータソースから取得されます。

関連付けの追加 add-associations

通常、データソース内のデータモデルオブジェクト間には関連付けが構築されています。この関連付けは、1 対 1 の場合もあれば、1 対多の場合もあります。例えば、1 人の従業員に対して複数の扶養家族を関連付けることができます。これを、1 対多の関連付けといいます。関連するデータモデルオブジェクトを接続するライン上では、「1:n」として表示されます。それに対して、特定の従業員 ID で一意の従業員名が返される場合などは、1 対 1 の関連付けになります。

データソース内の関連データモデルオブジェクトをフォームデータモデルに追加した場合、それらの関連付けは維持され、矢印の線で接続された状態で表示されます。フォームデータモデル内の異なる複数のデータソース全体で、データモデルオブジェクト間に関連付けを作成できます。

NOTE
JDBC データソースの事前定義済みの関連付けは、フォームデータモデルでは保持されません。手動で作成します。

関連付けを追加するには:

  1. データモデルオブジェクト上部のチェックボックスを選択して、データモデルオブジェクトを選択し「関連付けを追加」を選択します。関連付けを追加ダイアログが表示されます。

    add-association

    note note
    NOTE
    OData サービスのメタデータドキュメントには、データモデルオブジェクトとサービスのほかに、2 つのデータモデルオブジェクト間の関連付けを定義するナビゲーションプロパティが含まれます。フォームデータモデルで関連付けを追加する際に、これらのナビゲーションプロパティを使用できます。詳しくは、OData サービスのナビゲーションプロパティの操作を参照してください。

    関連付けを追加ダイアログが表示されます。

    add-association-2

    関連付けを追加ダイアログ

  2. 関連付けを追加ペインで、以下の操作を実行します。

    • 関連付けのタイトルを入力します。
    • 関連付けのタイプ(「1 対 1」または「1 対多」)を選択します。
    • 関連付けるデータモデルオブジェクトを選択します。
    • 選択したモデルオブジェクトからデータを読み取るための読み取りサービスを選択します。読み取りサービスの引数が表示されます。必要に応じて引数を編集し、関連付けるデータモデルオブジェクトのプロパティにその引数をバインドします。

    以下に示す例では、「扶養家族」データモデルオブジェクトの読み取りサービスのデフォルト引数が dependentid になっています。

    add-association-example

    「扶養家族」読み取りサービスのデフォルト引数が dependentid になっている

    ただし、この引数は、関連付けるデータモデルオブジェクト間の共通プロパティ(この例の場合は Employeeid)でなければなりません。そのため、Employeeid 引数を「従業員」データモデルオブジェクトの id プロパティにバインドして、関連付けられている扶養家族の詳細情報を「扶養家族」データモデルオブジェクトから取得する必要があります。

    add-association-example-2

    更新後の引数とバインディング

    完了」を選択して、引数を保存します。

  3. 完了」を選択して関連付けを保存し、「保存」を選択してフォームデータモデルを保存します。

  4. 必要に応じて上記の手順を繰り返し、さらに関連付けを作成します。

NOTE
追加した関連付けは、入力したタイトルと、関連データモデルオブジェクトを接続する線とともに、データモデルオブジェクトのボックス内に表示されます。
関連付けを編集するには、その関連付けのチェックボックスを選択して「関連付けを編集」を選択します。

added-association

プロパティの編集 properties

フォームデータモデル内で追加されたデータモデルオブジェクト、それらのプロパティおよびサービスのプロパティを編集できます。

プロパティを編集するには:

  1. フォームデータモデル内のデータモデルオブジェクト、プロパティまたはサービスの横に表示されているチェックボックスを選択します。

  2. プロパティを編集」を選択します。選択したモデルオブジェクト、プロパティまたはサービスの​ プロパティを編集 ​ペインが開きます。

    • データモデルオブジェクト:読み取りサービスと書き込みサービスを指定し、引数を編集します。
    • プロパティ:プロパティのタイプ、サブタイプ、形式を指定します。選択したプロパティをデータモデルオブジェクトのプライマリキーにするかどうかを指定することもできます。
    • サービス:サービスの入力モデルオブジェクト、出力タイプおよび引数を指定します。Get サービスの場合は、配列を返すようにするかどうかを指定できます。

    edit-properties-service

    Get サービスのプロパティを編集ダイアログ

  3. 完了」を選択してプロパティを保存し、「保存」を選択してフォームデータモデルを保存します。

計算済みプロパティを作成 computed

計算済みプロパティとは、ルールまたは式に基づいて値が計算されるプロパティのことです。ルールを使用して、計算済みプロパティの値を、リテラル文字列、数値、数式の計算結果、フォームデータモデル内の別のプロパティの値に設定できます。

例えば、既存の FirstName プロパティと LastName プロパティの値を組み合わせた値を持つ FullName という計算済みプロパティを作成することができます。そのためには、以下の手順を実行します。

  1. FullName という名前のプロパティを作成し、データタイプとして String を設定します。

  2. 計算済み」を有効にし、「完了」を選択してプロパティを作成します。

    計算済み

    FullName という計算済みプロパティが作成されます。このプロパティの横に、計算済みプロパティであることを表すアイコンが表示されます。

    computed-prop

  3. FullName プロパティを選択して「ルールを編集」を選択します。ルールエディターウィンドウが表示されます。

  4. ルールエディターウィンドウで、「作成」を選択します。「Set Value」ルールウィンドウが開きます。

    オプション選択ドロップダウンで、「数式」を選択します。「フォームデータモデルのオブジェクト」オプションや「文字列」オプションを選択することもできます。

  5. 数式の最初のオブジェクトとして「FirstName」を選択し、2 番目のオブジェクトとして「LastName」を選択します。演算子として「プラス」を選択します。

    完了」、「閉じる」の順に選択して、ルールエディターウィンドウを閉じます。ルールは以下のようになります。

    ルール

  6. フォームデータモデルで、「保存」を選択します。これで、計算済みプロパティが設定されました。

OData サービスのナビゲーションプロパティを操作 work-with-navigation-properties-of-odata-services

OData サービスでは、ナビゲーションプロパティを使用して、2 つのデータモデルオブジェクト間の関連付けが定義されます。これらのプロパティは、エンティティタイプまたは複合タイプで定義されます。例えば、サンプルの TripPin OData サービスのメタデータファイルから抽出した以下のコードの場合、Friends、BestFriend、Trips という 3 つのナビゲーションプロパティが Person エンティティに含まれています。

ナビゲーションプロパティについて詳しくは、「OData のドキュメント」を参照してください。

<edmx:Edmx xmlns:edmx="https://docs.oasis-open.org/odata/ns/edmx" Version="4.0">
<script/>
<edmx:DataServices>
<Schema xmlns="https://docs.oasis-open.org/odata/ns/edm" Namespace="Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models">
<EntityType Name="Person">
<Key>
<PropertyRef Name="UserName"/>
</Key>
<Property Name="UserName" Type="Edm.String" Nullable="false"/>
<Property Name="FirstName" Type="Edm.String" Nullable="false"/>
<Property Name="LastName" Type="Edm.String"/>
<Property Name="MiddleName" Type="Edm.String"/>
<Property Name="Gender" Type="Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models.PersonGender" Nullable="false"/>
<Property Name="Age" Type="Edm.Int64"/>
<Property Name="Emails" Type="Collection(Edm.String)"/>
<Property Name="AddressInfo" Type="Collection(Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models.Location)"/>
<Property Name="HomeAddress" Type="Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models.Location"/>
<Property Name="FavoriteFeature" Type="Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models.Feature" Nullable="false"/>
<Property Name="Features" Type="Collection(Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models.Feature)" Nullable="false"/>
<NavigationProperty Name="Friends" Type="Collection(Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models.Person)"/>
<NavigationProperty Name="BestFriend" Type="Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models.Person"/>
<NavigationProperty Name="Trips" Type="Collection(Microsoft.OData.Service.Sample.TrippinInMemory.Models.Trip)"/>
</EntityType>

フォームデータモデル内で OData サービスを設定すると、そのフォームデータモデル内のサービスを経由して、エンティティコンテナ内のすべてのナビゲーションプロパティを使用できるようになります。このサンプルの TripPin OData サービスでは、フォームデータモデル内の GET LINK サービスを使用して、Person エンティティコンテナに含まれている 3 つのナビゲーションプロパティを読み取ることができます。

以下の図では、フォームデータモデル内の GET LINK of Person /People サービスがハイライト表示されています。これは、TripPin OData サービスの Person エンティティに含まれている 3 つのナビゲーションプロパティを組み合わせたサービスです。

nav-prop-service

フォームデータモデルの「サービス」タブに GET LINK サービスを追加すると、サービス内で使用する出力モデルオブジェクトとナビゲーションプロパティを選択するための各種プロパティを編集できるようになります。例えば、以下の GET LINK of Person /People サービスでは、出力モデルオブジェクトとして「Trip」を使用し、ナビゲーションプロパティとして「Trips」を使用しています。

edit-prop-nav-prop

NOTE
NavigationPropertyName 引数の「デフォルト値」フィールドで指定できる値は、「配列を返しますか?」トグルボタンの状態によって異なります。このボタンが有効になっている場合は、コレクションタイプのナビゲーションプロパティが表示されます。

この例では、出力モデルオブジェクトとして「Person」を選択し、ナビゲーションプロパティの引数として「Friends」または「BestFriend」を選択することもできます(どちらを選択するかは、「配列を返しますか?」ボタンが有効になっているか無効になっているかによって異なります)。

edit-prop-nav-prop2

同様に、フォームデータモデルで関連付けを追加する際に GET LINK サービスを選択し、サービスのナビゲーションプロパティを設定できます。ただし、ナビゲーションプロパティを選択するには、連結先 ​ドロップダウンメニューで「リテラル」に設定されている必要があります。

add-association-nav-prop

サンプルデータの生成と編集 sample

フォームデータモデルエディターを使用して、計算済みプロパティを含むすべてのデータモデルオブジェクトプロパティのサンプルデータを、フォームデータモデル内で生成できます。各プロパティで設定されたデータタイプに基づいて、一連のランダムな値がサンプルデータとして生成されます。このサンプルデータを編集して保存することもできます。サンプルデータを再生成した場合も、編集したサンプルデータは保存されたままになります。

サンプルデータを生成して編集するには、以下の手順を実行します。

  1. フォームデータモデルを開いて「サンプルデータを編集」を選択します。サンプルデータが生成され、サンプルデータ編集ウィンドウに表示されます。

    サンプルデータの生成

  2. サンプルデータを編集 ​ウィンドウでデータを編集して「保存」を選択します。

次に、サンプルデータを使用し、フォームデータモデルに基づいてインタラクティブ通信にデータを取り込んでテストを実行します。詳しくは、フォームデータモデルの使用を参照してください。

データモデルオブジェクトとサービスのテスト test-data-model-objects-and-services

これまでの手順で設定したフォームデータモデルを使用する前に、設定したデータモデルオブジェクトとサービスが正しく動作するかどうかをテストすることをお勧めします。データモデルオブジェクトとサービスをテストするには、以下の手順を実行します。

  1. フォームデータモデルでデータモデルオブジェクトまたはサービスを選択して、それぞれ「モデルオブジェクトをテスト」または「サービスをテスト」を選択します。

    フォームデータモデルをテストウィンドウが表示されます。

    test-data-model

  2. フォームデータモデルをテストウィンドウの入力ペインで、テストするデータモデルオブジェクトまたはサービスを選択します。

  3. テストコードで引数の値を指定して「テスト」を選択します。テストが成功すると、出力ペインに出力情報が返されます。

    テストの結果

同様の方法で、フォームデータモデル内の他のデータモデルオブジェクトやサービスをテストできます。

入力データの自動検証 automated-validation-of-input-data

フォームデータモデルは、DermisBridge API を呼び出す際に入力として受け取ったデータを(フォームデータモデルで使用可能な検証条件に基づいて)検証します。検証は、API の呼び出しに使用されるクエリオブジェクトに設定された ValidationOptions フラグに基づいて行われます。

このフラグは、以下のいずれかの値に設定できます。

  • 完全:FDM は、すべての制約に基づいて検証を実行します
  • オフ:検証なし
  • 基本:FDM は、「required」制約および「nullable」制約に基づいて検証を実行します

ValidationOptionsフラグに値が設定されていない場合、入力データに対して​ 基本 ​検証が実行されます。

以下に、検証フラグを​ 完全 ​に設定する例を示します。

operationOptions.setValidationOptions(ValidationOptions.FULL);
NOTE
入力データの属性に指定する値は、メタデータドキュメントの属性に定義されているデータタイプと一致する必要があります。
値が属性に対して定義されたデータタイプと一致しない場合、DermisBridge API は ValidationOptions フラグの値に関係なく例外を表示します。ログレベルが「デバッグ」に設定されている場合は、error.log ファイルにエラーが記録されます。

フォームデータモデルは、データタイプ制約のリストに基づいて入力データを検証します。入力データに対する制約のリストは、データソースによって異なる場合があります。

以下の表に、データソースに基づく入力データの制約事項を示します。

制約
説明
入力データソース
required
true の場合、パラメーターを入力データに含める必要があります。
Swagger、WSDL およびデータベース
nullable
true の場合、入力データでパラメーターの値を Null に設定できます。
WSDL、Odata およびデータベース
maximum
数値の上限を指定します。また、上限として指定した最大値も入力データのパラメーターに割り当てることができます。
Swagger および WSDL
minimum
数値の下限を指定します。また、下限として指定した最小値も入力データのパラメーターに割り当てることができます。
Swagger および WSDL
exclusiveMaximum
数値の上限を指定します。上限として指定した最大値を入力データのパラメーターに割り当てないでください。
Swagger および WSDL
exclusiveMinimum
数値の下限を指定します。下限として指定した最小値を入力データのパラメーターに割り当てないでください。
Swagger および WSDL
minLength
文字列に含まれる文字数の下限を指定します。また、下限として指定した最小値も入力データのパラメーターに割り当てることができます。
Swagger および WSDL
maxLength
文字列に含まれる文字数の上限を指定します。また、上限として指定した最大値も入力データのパラメーターに割り当てることができます。
Swagger、WSDL、Odata およびデータベース
pattern
文字の固定シーケンスを指定します。文字が指定したパターンに適合する場合にのみ、入力文字列が正常に検証されます。
Swagger
minItems
配列の項目の最小数を指定します。また、下限として指定した最小値も入力データのパラメーターに割り当てることができます。
Swagger および WSDL
maxItems
配列の項目の最大数を指定します。また、上限として指定した最大値も入力データのパラメーターに割り当てることができます。
Swagger および WSDL
uniqueItems
true の場合、配列のすべての要素は入力データ内で一意である必要があります。
Swagger
enum(文字列)
入力データ内のパラメーターの値を固定の文字列の値のセットに制限します。1 つ以上の要素がある配列であり、各要素は一意である必要があります。
Swagger、WSDL および Odata
enum (数値)
入力データ内のパラメーターの値を、一定の数値のセットに制限します。1 つ以上の要素がある配列であり、各要素は一意である必要があります。
WSDL

この例では、Swagger ファイルで定義されている最大制約、最小制約、必須制約に基づいて入力データが検証されます。注文 ID が存在し、その値が 1 ~ 10 の場合にのみ、入力データは検証条件を満たします。

   parameters: [
   {
   name: "orderId",
   in: "path",
   description: "ID of pet that needs to be fetched",
   required: true,
   type: "integer",
   maximum: 10,
   minimum: 1,
   format: "int64"
   }
   ]

入力データが検証条件を満たさない場合は、例外が表示されます。ログレベルが「デバッグ」に設定されている場合は、error.log ファイルにエラーが記録されます。例:

21.01.2019 17:26:37.411 *ERROR* com.adobe.aem.dermis.core.validation.JsonSchemaValidator {"errorCode":"AEM-FDM-001-044","errorMessage":"Input validations failed during operation execution.","violations":{"/orderId":["numeric instance is greater than the required maximum (maximum: 10, found: 16)"]}}

次の手順 next-steps

これで、作業用のフォームデータモデルを、アダプティブフォームとインタラクティブ通信のワークフローで使用する準備が整いました。次の手順として、実際にこのフォームデータモデルを使用します。詳しくは、フォームデータモデルの使用を参照してください。

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